大雪山登山記②
2022年7月31日(日)層雲峡に移動する日
夜はぐっすりと眠り、朝もゆっくりと起きました。持ってきたコーヒーをゆっくり飲んで、この宿の目玉であるサウナ&温泉へ!朝からじっくり時間をかけてサウナと水風呂、そして休憩瞑想を楽しみます。山に行けなくても幸せかも・・・
外は曇天ですが、雨は降っていません。旭岳はどうだったんだろうな・・・と気になって仕方がありません。てんきとくらすでは今日はずっとC。後から今日登山をされていた方の話を聞いて知りましたが、雨は降っていなかったけれど風がすごかったようです。考えてみると、裏旭キャンプ場にテントを張ると、おそらく間宮岳~裾合平の一周は時間的にも体力的にも無理だったと思うので、山に泊まれなかったことは残念ですが、より多くの道を歩けて素晴らしい景色を見ることができたから、かえって良かったのでないかと思います。
サウナから戻って、まだまだ時間があるのでまたベッドにもぐりこみ眠ります。すごい眠ったからもう眠れないかと思いましたが、さっぱりとした体が心地よく、すぐにまた眠りに落ちてしまいました。
チェックアウトの11時少し前に荷物をまとめて飛び出します。やっぱりもっとリュックを軽くする方法を考えなければ・・・まず旭川駅へ。ロッカーに思いリュックをねじ込みます。600円。身軽になって、さぁ、何を見よう!
気になっているのは旭川ラーメンの人気店「山頭火」です。ホテルのそばにあって並んでるのを見てとても気になっています。行ってみると開店直後?人が並んでいないので急いで飛び込みました。
丁寧に作られているように感じました。すぐにぺろりと平らげてしまします。
さて、次はどこに行こうか・・・今日の予定はバスに乗って旭川から層雲峡に移動するだけです。バスの時刻は次が12:15、その次が14:35です。はなから旭川でのんびりして14時台のバスに乗るつもりだったのでのんびりと構えています。平和通り買物公園をぶらぶらします。居酒屋街であるサンロク街も見てみたいなーと思いつつ、やっぱり見るなら夜かな、などと色々考えながら歩きます。でも、ふと層雲峡のほうが珍しいものが見られたりするかな・・・?私高原の温泉街って大好きなんだよなー・・・という考えが浮かびます。だったら早めに層雲峡行ったほうが楽しめるかも・・・旭川ならきっとまた来る機会もあるだろうし。層雲峡にまた泊まれるかは分からない!その気持ちが今度はむくむくと大きくなってきます。現在11時50分・・・結構ギリギリ・・・そのうえ靴擦れ用のバンドエイドを買っておかないと層雲峡には薬局がないかもしれない!めちゃめちゃ今度は急ぎ始めます。薬局に飛び込んでいろいろ探すも、靴擦れブロック用のいつも買っているバンドエイドは見当たらず、あきらめて普通のバンドエイドを手にレジに並びます。でもそんなときに限って前のおばあちゃんが「ポイントカードってどんなだったかねぇ・・」とレジが止まってしまってます!お約束の展開に思わず笑ってしまいました!別の店員さんが隣のレジを開けてくださり、事なきを得ましたがホントに時間がない!!ロッカーからリュックをひったくって取り出し、バス停へよたよた走っていきます。何とか間に合った!しかしなんだろう、旭岳ロープウェイに向かうバスとは比べ物にならないぼろぼろの路線バス!こんなんで2時間も揺られるの!?ほんとにがたがたとものすごい揺れるバスでした。たとえ寝ていてもたたき起こされてしまいます・・・!でも車窓は本当に興味深いです。北の果てに来たのだと旅情を感じることができました。途中通った上川駅がまた素敵。小さな電車の駅です。北海道を電車で旅をしてみたいという憧れはずーっと持ち続けています。そんな憧れを強く搔き立てるようなバスでした。でもきっとバスのほうが本数あって便利なんだろうなぁ。
2時間後、ようやくがたがたバスから飛び出します。層雲峡到着!噂にはずっと聞いていた地ですが、初めて降り立ちました!なんだか肌寒い感じ・・・やっぱり標高が高いからかな!風が強く吹いています。
層雲峡は周囲を屏風のような山々に囲まれた不思議な風景の場所です。山に囲まれた間のところに温泉宿が点在しています。ずっとイメージしていたところとそんなに変わらないかも!
重いリュックを担いでよろよろと、予約した「層雲峡観光ホテル」に移動します。
昨日急ぎでBookingcomで予約した宿です。かなりお値段が安かったので何も期待していなかったし、なんなら少しボロボロなのかな・・・などと心配したりしていました。そんな不安を吹き飛ばすくらいの豪華なたたずまい!フロントの方にとりあえずリュックを預かっていただくお願いをして、チェックインまでまだ時間があるのでまた外へ飛び出します。
まず見てみたかったのは「国設層雲峡野営場」です。Googleでは閉鎖中で出ています。どうなったのか?少し興味がありました。石狩川沿いの39号の道をてくてく。結構日差しが強い。ラフティングしている人もいる!しばらく歩くと、野営場らしい入り口を発見!でも何も看板はありません。絶対藪蚊がいそうな藪の道をどんどん進んでいくと、ありました!野営場跡。
昔は黒岳登山者がここでキャンプをしたのかと思いますが、現在は閉鎖されいているようです。残念・・・ここでテントを張れるならだいぶ節約になりそうだけれど・・・。もう少し探検したかったのですが、少し先に人影が!ヒグマも怖いですが、やっぱり一番怖いのは人間・・・ちょっと怖くなって、急いで39号線に戻りました。
川沿いの道なのでとても涼し気で楽しい道です。車が通るのが残念ですが・・・足元にはいろんな虫、ネズミの死骸まで!自然豊かで歩いていて飽きない道でした。
およそ約2キロ、結構歩いた感じでやっと流星の滝に到着!小さなお店もあって少し賑わっています。楽しそう!まずはざっと滝沿いの道を歩きます。その後、お店裏の滝見展望台に登ってみよう、と思います。
滝見の階段を上がる前に、お土産物屋さんでメロンソフトを頼んでしまいました・・・1500円と少し観光地料金でしたが、味は絶品!疲れていた体に染み渡る、めちゃくちゃ美味しいメロンでした。お店のおばさんも優しかったし、頼んでよかった!
さ、腹ごしらえもできたので、階段を上がることにします。蚊がいそう・・・
緑の深い道をどんどん行きます。結構登ってる人は多いです。カメラを片手に登る男の子や家族連れ、みんな元気だなぁ。最後まで登っては見たもののそんなに心を動かされる感動はありませんでした・・!普通に下で見る分でもよかったかも。でもやってみることに意味がある!
いそいそと降りてきてきます。おそらく往復で20分くらいかな。
さぁ、時間も結構経ちました。そろそろ層雲峡に帰らないと。帰りは黙々と川沿いの道を行きます。でもどこを切り取っても美しい。さすが北海道層雲峡。
層雲峡でメイン通りを歩きビジターセンターに立ち寄りました。着いたのが17時だったので心配でしたが、17時半まで開いているようです。よかった!雪渓の情報や、咲いている花の情報、大雪山のビデオなど見ながらぶらぶら。結構人が入っていて賑わっています。明日からの山行楽しみだな!
ホテルに帰る前にセイコーマートによってお買い物。ここで花火のポスターを見つけます。お客さんと店員さんが話している話にも聞き耳を立ててみると、今日から夜アイヌの踊りが見られるイベントと花火が打ちあがるようです!これは絶対に見に行かないと!でももう時間は17時半、結構このあとスケジュールがタイトになりそう!
層雲峡観光ホテルに戻りフロントでチェックイン、名前を言っても首を傾げられてしまいます。安すぎてちゃんと取れていなかったかな・・・かなり不安になります。自分のスマホの画面を見せて、ようやくOK、部屋の鍵を頂けました。値段が安すぎて幽霊部屋だったらどうしようと最後まで不安でしたが、着いてみると最高のお部屋!こんな素敵すぎるお部屋を本当に貸していただけるの?!最後まで半信半疑でした。
おしゃれすぎるし、清潔で心からリラックスできる空間です。
さ、のんびりはできません。せっかく温泉宿に泊まるので、すべての温泉を制覇したい!いそいでタオルをもってまずはこのホテルの目玉の混浴風呂に向かいます。渓流沿いの大露天風呂は男女とも湯あみ着を着て楽しむスタイル。ちょうど夕食時だったからか人が少なく、黄昏時の渓流を思う存分静かに楽しむことができました。素晴らしい!必ずまた来たい!!湯あみ着を準備するのだってものすごくコストがかかると思います。感謝・・・。
その後は女風呂へ。夕方のこの時間は露天風呂付の風呂が女風呂になっています。混浴の風呂からすぐに行くことができてとても便利です。こちらの風呂もめちゃめちゃ大きい!解放感たるや!!素晴らしい。
19時過ぎ、残念ですが時間です、急いでお風呂を後にして身支度を整えホテルを出ます。夕食を食べに層雲峡のメイン通りに。ラーメン屋さんしか見当たらない・・・
そして迎えた8時、広場に作られたステージでイベントが始まりました!アイヌの方たちの伝統的な音楽や踊り、そしてなぜか迫力抜群のファイヤーダンス、そしてそのファイヤーダンスとアイヌの方たちの踊りとのコラボ、なかなか見ごたえあるステージで楽しかった!身に来られてよかった!!20時半には花火が打ちあがりました。久しぶりの花火、うっとりと見惚れてしまします。
花火も終わりホテルへ戻ります。層雲峡観光ホテルにもたくさんの家族連れが戻っています。みんな見に来てたんだなぁ。
もう一度温泉を楽しんで部屋に戻り、ゆっくりと休みました。
盛沢山すぎる、最高の一日でした!明日はどんなことが起こるのでしょうか・・・
まだこの時は知る由もありませんでしたが、明日からの3日間も夢の中にいるような素晴らしい時間を過ごすことができたのです!
大雪山登山記①
2022年7月29日(金)~2022年8月4日(木)6日間
北海道大雪山を巡る旅に出ました。一生忘れることができない、私の人生を変えてしまうような大きなインパクトを自分自身に与えた旅でした。この旅に出てよかった。この旅に出る前は、こんなことが起こるとは思いもよらなった。特に人との出会い。私は未熟な人間で、うまく周囲の人とコミュニケーションがとれないことから、人間を避けてきたようなところがありました。それでも、うまくいかないことばかりでも、這いつくばってここまで生きてきて、人は一人で生きていくことは絶対にできないということを学び、少しずつ周囲の人たちに思いやりをもって接することの大切さを知りました。当たり前だけれど、気に食わないからと言って意地悪をしてはならないことを学び、人と接することの楽しさも少しずつ知りました。そしてこの旅。出会う人すべてがあたたかく、優しく、人間が大好きになってしまいました。早くあの人たちに会いたいと思える旅。もう別れてしまったけれど、必ずまた会いたいと思えるひとたち。今でも思い返せば温かい気持ちがあふれてきます。出会った人たちの幸せを心から祈っています。
2022年7月29日(金)出発の日
午前中は部活。最近は部活も本当にやりがいを感じられています。周囲の人に力を貸せることが私の生きる意味かもしれないと思っています。夏休み前の部活ということで、今までの活動の反省を行い、今後の活動へのどう取り組みたいかをお互いに話し、そして最後に清掃を行いました。部員みな一生懸命にそうじをしてくれて、本当に温かな気持ちでむかえることができた部活最終日でした。
その後急いで帰宅。ほとんど準備はしてありましたが、最終的なチェックを行います。60リットル入るモンベルのリュックはパンパンです。重さは測りませんでしたが、3泊分の食料やテント類がぎっしりとつまっています。後で考えれば少し入れすぎでした。それでも何とか担ぎ上げ、電車に乗り羽田空港を目指します。
行きのモノレールには旅情が詰まっています。なによりも旅情を掻き立てられます。大きな荷物にすべての生活用具と希望を詰め込んで、これからどんな人に出会うのか、どんな出来事に出会うのか、想像もつきません。そして今回もまた想像すらしないような出会いや出来事が起こりました。それぞれの場所でそれぞれの役割を負って生きている、家にいるだけでは出会えない人たちに出会うことができる、その魅力に触れることができるのが旅の醍醐味なんだと、遅ればせながらこの年齢になってはじめて気づくことができました。
羽田空港は金曜日の15時。とても賑わっています。かつての旅人たちの活気が戻ってきたようです。慣れない動きでチェックインをして、荷物を預けました。荷物預けるところも大行列です。あとはのんびり過ごし、17時の飛行機に乗り込みました。窓際が最後ひとつだけあいていたのはうれしかった!みなさんいつ座席を取るのかな。隣の青年はスマホのゲームに夢中。(帰りの隣の青年も・・・同じ人か?)私は外を眺めていました。前に北海道に行ったときは鳥海山が見えた気がしたけれど、今回は山は見えたけれどわかりませんでした。でも鳥になった気分で楽しいです。男鹿半島や八郎潟、恐山の湖など見たことのある景色が眼下に広がって目が離せません。晴れている飛行機はとても楽しい!オニオンスープも温かくてとても美味しかった。
約1時間半で旭川に到着。本当に早い。うちから電車だとどのへんだろうと思ってしまいます。ちょっと都内に出る感じで着いてしまいます。でも空港から旭川駅までは40分!結構遠いです。バスの補助席に乗り込みます。窓が見られないのが残念・・・
旭川はルートイングランディアを予約していたの早速向かいます。駅前の大きくて華やかなホテル!綺麗で嬉しい。今日はそのまま寝よう。バス乗り場そばのローソンで夕食をゲット(ビールも!)部屋もめちゃくちゃ綺麗。そして温泉付き・・・天国かと見まごうほどです。ゆったりと癒されて、深く眠ることができた一日目でした。
2022年7月30日(土)2日目!
何度もてんきとくらす旭岳を確認しますが、今日は晴れ、明日は雨の予報です。今日は必ず旭岳に登ろうと決めていますが、明日以降どうするかまだ悩み中です。疲れていたので9:11のロープウェイ行きに乗れればいいや、と思っていましたが、5時には自然に目が覚めてしまい、7:11に余裕で間に合いそう。日帰りで旭岳周辺を巡るとなると大変なので急いで支度をします。朝風呂には絶対に入らなきゃ!ホテルの温泉は少し熱めでした。茶色の湯で旭川の町がちょっとだけ見えます。温泉も大好きです・・・ただただ幸せだけの時間・・・
30分前にはバス停に到着。9番でローソンの近くです。もう並んでる方たちがいます。ローソンでおにぎりを購入!ほおばりながら待ちます。大きくて綺麗なバス。下にリュックを預けることができました。このバスは昨日来た空港を経由して旭川ロープウェイに向かうようです。窓を流れる景色に夢中。町を出ると北海道らしい壮大な農地が広がります。これも見たかった。
1時間半強でロープウェイ駅に到着。ロープウェイで姿見駅へ向かいます。ここも混んでいました!並ぶほどではないけれど。関東圏ならきっと大行列だろうなぁ!ここで一つ決断!明日はやっぱり天気が悪そう・・・どう見ても一日中C判定・・・明日は山でテントを張るのをあきらめて旭川に戻ろう、そして層雲峡に移動して層雲峡で一泊して明後日黒岳ロープウェイでまた山に戻ってこよう・・・!決めたらすぐに姿見駅構内のロッカーにリュックを押し込みます。(ロッカーがあってよかった。なければその辺に置いていこうと思ってた)ロッカーも安かったので助かりました。
背中が軽い!そして駅を一歩出ると素晴らしい景色が広がります!目の前に旭岳!今日は激晴れ!!青空がめちゃくちゃ綺麗です。
途中行き会ったおじいさんが「こんなに晴れて美しい日はない。頑張って旭岳登頂しよう!」と声をかけてくれたのが印象的でした。本当に夢のような青空が広がります。(6日間で実際一番天気が良かったです)これも一期一会。一歩一歩山頂へむけてゆっくりと登っていきます。(あまり早く歩けないけど、今日中に間宮岳、中岳、裾合平とぐるっと一周して旭川まで戻りたいのでかなりあせってる)
山頂は人でいっぱい!お昼ご飯を食べている方もいます。風がかなり強いですが私もひとやすみ。やっぱり山はいいなぁ・・・
休憩後次は間宮岳を目指します。旭岳から下るところがちょっと怖いポイントでした。雪渓は傾斜が少なかったのでそんなに怖くなかったのですが、雪渓の先がかなりざれていて、傾斜も急でほとんど滑ってしまうような感じです。ストップが効かない。周りの方たちも怖がっているように見えます。これ私10キロ以上のリュックを背負って歩く自信がない・・・
みんな滑り降りるように下っています。後日黒岳石室の小屋の方にお伺いしたのは、みんなが歩くところは削れていて踏ん張りがきかないので、その周辺を歩くと踏ん張りがききやすいとのことでした。
この怖い道を過ぎると、本来なら本日の宿のはずの裏旭キャンプ場です!何人か人が休んでいましたがテントはありません。明日悪天候なのでみんな避けているのかなぁ・・・だとしたら私も諦めてよかった。ここはとてもきれいな場所らしいのですが、トイレがありません。小は何とかなっても朝は・・・どうしたらいいのか少し不安に思っていました。ほかの方のブログを読むと、まぎれて何とかなったとありましたが、森もなく見通しもよい感じ。今度また来てみたいけれど、トイレのハードルが高いかな・・・
そのあとはどこかの惑星のような景色が広がります。
北海道の山は本当に雄大だと感じます。広い大地に一本の道がずっと続いている・・・この山旅で何度も目にしました。その道をただただ歩ける幸せ。私は本当にただ歩くことが好きなんだとも気づきました。
UL装備のおしゃれなお兄さんから、大きな荷物を担いだおじさんまでいろんな方が歩いています。皆さん今日山で泊まられるのかな・・・?
途中の中岳温泉には温泉が湧いていて、どなたかが作ったであろう足湯に登山者の方たちが浸かってのんびりとされていました。ひとりだと少し遠慮してしまいます。ここには携帯トイレブースもあります。やってみたいけれどこれもハードル高いなぁ
中岳温泉を過ぎてからの道が本当にすごかったです!実は今日一番楽しみにしていた裾合平です!!お花の楽園が広がるまさに天国。言葉が出ないほどに感動してなかなか先に進むことができません。見渡す限りに永遠にチングルマのじゅうたんが広がっています。なんて広い景色。そしてエゾコザクラの濃いピンク。こんなに咲いているなんて・・・いろんな山に登ってきたつもりですが、あまりの量に圧倒されます。アップダウンの少ない道も歩きやすく、まさに夢見心地です。
なんて美しいのか・・・溜息ばかりついてしまいます。もうここに住みたい。
ここからはずっとなだらかな道で、とても歩きやすかったです。3人組の女性の方がゆっくりと楽しそうに歩いていました。ゆったりとした歩調なのですが追い越しても、休憩しているうちにすぐに追いつかれてしまいます。ゆっくりと休まずに歩き続ける、というのが良いのかもしれません。まだ足が慣れていないのか、すぐに疲れてしまします。そのたびに登山靴をぬいで足を休ませます。私が焦ってしまっていつものペースよりだいぶ早く歩いてきたのが原因かもしれません。やっぱり自分のペースを守るというのが大切ですね。
池のそばのベンチでひとやすみ。ここで今日の宿と明日の層雲峡のホテルを検索してみます。旭川の温泉付きビジネスホテルは約10000円・・・高いけれど直前だし仕方がない・・・それに反して層雲峡のホテルはBookingcomで6000円弱!(朝食付き!)え・・・大丈夫かかえって心配になってしまうほどのお得感・・・どんなホテルなんだろう?
急いだ甲斐もあってロープウェイの時間にも、帰りの旭川駅行きのバスの時間にも間に合いました!のんびり綺麗な景色を見ながらよく休んでからロープウェイに乗り込みます。やっぱり3泊4日縦走装備のリュックは死ぬほど重い・・・
バスでうとうとしていると旭川駅到着!今夜の宿プレミアムキャビン旭川に急ぎます。なんでも素敵な温泉サウナ付きのホテル!ちょっとお高かったので思い切り楽しみたいと思います。
その前に夕食!せっかく旭川に来たので美味しい旭川ラーメンが食べたい!出発前に会った父が勧めてくれたのが「地下にあったラーメン屋」・・・どこだろう?でもこの時代Googleで「旭川 地下 ラーメン」ですぐに出てきました。多分「梅光軒」さんだな!早速出発します。人気店のようで行列ができています。ドキドキしながら順番を待ちます。
最高!父に聞くとやっぱりここだったみたい。並んだ甲斐がありました。本当に美味しい!
ホテルに戻り、サウナに干上がるほど入り、水風呂に浸かり、瞑想します。これを繰り返していくとぼーっとしてきます。なんか幸せ・・・
少し夜更かしをして眠りにつきました。明日は層雲峡に移動するだけだから大丈夫!
有明温泉 投宿
勤め人にとってお盆の時期の大型連休はかなり貴重である。連続して休める日程でないと叶わない旅があるから、この機会を最大限に有効に使うにはどうしたらよいか、時間をかけて計画を練る必要がある。
今年の連休は山にまみれよう。ぐちゃぐちゃに溶けてしまうほどまで山の中で過ごしたい、そう思った。しかし単独登山の上へっぽこ登山家の私に難しい山は無理である。色々調べて、燕岳から始まる「パノラマ銀座」と銘打たれた北アルプス縦走の旅に出ることに決めたのである。
問題は予約だ。テント泊とはいえこのご時世、予約がないと泊まることができない。自由を求めてテントを担いで旅をするのに、なんとも世知辛い世の中である。幸いパノラマ銀座にあるテント場で予約が必要なのは燕岳のみらしい。見てみると奇跡的に10日があいている。そしてふもとの温泉宿もその前日があいている。そそくさと予約を入れて、その勢いで列車の切符も手配する。冒険の準備は整った。
当日、あいにくの天気である。少し前から今年のお盆は悪天候の様子。荷造りをしながらも浮かない気持ちで、ふらふらとどうしようか、どうにもならないことをぐるぐる考える。新しいマットにバーナーに下着など、この山行のために色々と準備をしたが使う機会は来るだろうか・・・
8時に家を出て最寄りの駅へと歩く。リュックサックは衣食住すべてを詰め込み約14キロ。両肩に乗る生活道具はかなりの重みだ。
立川の駅に出て、特急あずさに乗る。久しぶりの電車の旅。どんよりした天気の車窓が美しい。ようやく旅情のようなものを感じる。信州松本まで約二時間半。うとうとしながら穏やかな旅の解放感に浸る。
松本に降り立つとやっぱり空気が違うように感じる。いつだって山を登る人にとって松本は憧れの町だ。来られただけで嬉しい。大糸線に乗り換えてさらに穂高駅を目指す。車窓には稲穂の波が広がり、長野独特の空が高く広がりある風景を楽しむ。
穂高駅に降り立つ。埼玉を出て約4時間、ごちゃごちゃした住宅街から静かな長野の小さな駅へ。どんどん電車で運ばれて転がり出た自分が少し不思議な感じがした。ここからさらにまたバスに乗って、今夜の宿である有明荘まではまだあと一時間くらいかかる。
バスの時間まで少しあるので穂高神社に立ち寄ることに。上高地に奥社、奥穂高岳の山頂に峯社があるという穂高神社は大きく荘厳な雰囲気。神社特有の神聖な雰囲気が良い。前向きな気持ちを頂けるような気がしている。
今までで一番厳かな雰囲気を感じたのは三輪神社だ。山の辺の道を歩ききって疲れ果てた体でたどり着いた三輪神社、今までずっと降りしきっていた雨が神社についたとたんに止んだ。今までの穢れが雨で全て落ち切って、何か救われたような気がしたのを、何十年も前のことなのに今でも鮮明に覚えている。
本当に疲れ切っているとき、苦しみぬいているときに神社は優しく受け止めてくれるような気はする。
今はそんなに切羽詰まっていない。穂高神社の雰囲気を楽しみ、参拝し町の雰囲気を見学しながらバス停に戻った。雨は降ったりやんだり・・・明日は燕岳に登れるのだろうか・・・
バス停で待っているとバスが来た。
明るい運転手さん。ひとり旅の私にも明るい早口で話しかけてくれる。コロナで客が少ないこと、この前大雨が降ったこと、お盆の天気が悪くてまたお客が減りそうなこと・・・あたたかい方言に相槌を打ち、車窓をぼーっと楽しみながらバスに揺られる。中房温泉までの道はかなり厳しい。自家用車で行ったら怖い思いをしたかもしれない。プロの運転手さんの運転は安心感がある。激しく細いくねくね道をかなりのスピードで走る抜けていく。山道の車窓は緑がしたたり落ちるようだ。むせかえるような緑。あぁ、こういう道を歩いて山にまみれたい・・・
有明荘は中房温泉登山口より少し手前にある。運転手さんにお礼を言い雨の中降り立つ。
赤いゼラニウムが各窓に飾られた木造りの瀟洒な宿、スイスの宿みたいだと思った。
ひとり旅の時はどうしても気後れしてしまう。以前ほどではないけれど。
布団との若い男の子に話しかける。チェックインは15:00からで、それまで休憩室で待っているようにとのこと。明日燕岳まで行けそうか聞いてみる。奥から少し年上の男の子が出てきて、「テント泊は風が強くて難しいですよ」と。明日の様子を見て決めます、と言って休憩室へ。
先客のグループが一組とご夫婦が一組。食べ物とお酒を広げて楽しそうに話している。椅子に座り本を読んで時間をつぶす。奥には温泉がある。早く入りたいな。
15時チェックイン。通された部屋は「れんげ」小さいが清潔で快適そうな部屋だ。この後一日のんびり過ごそう。
ビールを飲んで少しごろごろしたら、さっそく貸切の家族風呂に行ってみる。
家族風呂は並びで二つある。湯船にたっぷりと温泉が注がれていて最高だ。小さいが一人旅の私にはこのくらいでいい。お湯に浸かるとすべての苦しみや悲しみが溶け出していくように感じる。いつも大きな幸福感に包まれる。少し窓を開けて外の冷たい空気を感じてみる。雨は降り続いている。
しっかりと温まり、続けて大浴場にも行ってみる。
雨だからか入っている人も少なく、静かにお湯を楽しむことができた。
昔は露天風呂のほうが圧倒的に解放感もあるし好きだったが、最近は内湯の静かな感じがとても好きだ。薄暗く柔らかいあかりがともり、優しい音が響く内湯に浸かっていると、別世界に来たかのような気持ちになる。有明荘の温泉の内湯もとても静かだった。湯口から流れ出る音だけが響く温かい空間。ただただ思考が止まり湯口から流れ出るお湯や、きらきらと輝く波打つ水面を見ている。こんな時間が必ず私には必要だと思う。
露天風呂はとても広い。まわりは森に囲まれていて緑の濃いの香りがする。息を思い切り吸い込む。緑を見つめる。肌に触れる空気は清冽で冷たい。かけがえのない時間だ。
ゆったりと時間ギリギリまでお湯を楽しみ、温泉を後にした。
18時からは夕食だ。メインはビーフシチュー。一つ一つ丁寧に作ってあり、すべてぺろりと平らげた。
夕食後もふやけるほど湯に浸かり、その日はすぐに寝てしまった。
翌朝4時、自然に目が覚める。
さっそく貸切風呂へ。今回は深夜に起きられなかったが、人のいない時間帯の朝風呂や深夜の温泉が大好きだ。
お湯に浸かっているとゆっくりと体が起きていくような感じがする。眠みもお湯に溶けていってしまう。大浴場にも行く。雨は降り続いている。今日は登山はやめてゆっくりとお湯に浸かって帰ろう、と決めた。
朝食もとても美味しい。旅館の朝食はなんでこんなに美味しいのか。普段朝食はとらない習慣だが、温泉旅館に宿泊したら必ずご飯のおかわりまでぺろりと平らげてしまう。
朝食後も時間ギリギリまでお湯に浸かり、部屋でごろごろしてチェックアウト時間までのんびりと過ごした。
チェックアウトは9時。9時3分に宿から穂高駅に向かうバスが来る。雨の中バスに乗り込み、緑にまみれた来た道を戻る。今回はほかにも客が数名。燕岳に登ってきたのだろうか。このあと長い休みを取るのはなかなか難しい。残念だな・・・と思いながらバスに揺られ穂高駅に着くと、ふもとの町はまぶしいくらいに晴れ渡っていた。
さて、これからどうしよう。このまま帰ってもすることがないし、せっかくここまで来たのにもったいない。駅前にはレンタサイクルのお店が何軒かある。一番駅に近い「ひつじ屋」にふらりと立ち寄り、4時間自転車を借りた。荷物を預かってもらい、体も心も軽く自転車を漕ぎ出した。
安曇野の広大な地を自転車で駆け巡ったら楽しいだろうな、と思ったが、今日は本当に暑かった!遮るものもなく刺すような日を浴びながら自転車を漕ぐのはなかなか大変だった。暑い中でも一番良かったのは「安曇野北アルプス展望のみちウォーキングコース」だ。雲がかかっていてはっきりは見えなかったが、高い峰々に囲まれた安曇野は「これぞ安曇野」といった感じ。求めていた安曇野の正しい姿のような感じがした。
1時間を残しギブアップ。今度来るとしたらもう少し涼しい季節にしよう。
駅に向かうと、ちょうど松本行の大糸線が着いたところだった。運がいいのか悪いのか、慌てて330円の切符を買い、電車に転がり込んだ。
登山はまったくしないのんびり温泉宿泊となったが、ひとり温泉宿でのんびりと読書をするのもまた良い時間の使い方ができたなと思う。
自宅から有明荘まで交通費 往復約20000円
有明荘1泊 13500円
缶ビール2本 900円
朝ご飯 サンドウィッチおにぎり 1000円
計35400円
2021年GW 下北半島への旅 四日目
道の駅「しちのへ」はとても広くて綺麗で静かな場所でした。青森八戸方面に遊びに来ることがあれば、また利用させていただきたい場所でした。
ゆっくりと深く眠ることができ、元気な朝を迎えることができました。さて、楽しかった旅も最終日。今日はどこへ行き何をしようか・・・手早く身だしなみを整え7時には道の駅を後にします。
せっかくここまで来たので、八甲田周辺を通り抜けて美しい景色を眺めてから東北道に乗ろうと今日の行程を組みます。
国道394号線を走り1時間もしないうちに景色は深い山の中の雰囲気に。雪がかなり残っています。車道脇に水芭蕉が普通に生えているのは下北半島あるあるか・・・深い自然に驚きます。
ただ車で走るだけでも壮大な風景。今度来たときは必ず宿を取り、のんびりしよう!固く決意します。本当に風景が大きい。日本離れしています。
今回は時間の関係でどこにも止まらず八甲田の風景の中を走り抜けていくだけでした。それでもその大きな広がりは私の心に大きな希望を残しました。まだこんな素敵な場所がこの世にはあるんだ。このあと大きな困難がまたあるだろう。それでも私は生きてまたこの大きな風景の中に包まれにこよう・・・
最終日、青森で見ることができたのはこの風景だけでした。八甲田を通り抜けて午前中のうちに黒石インターチェンジから東北道に乗りました。埼玉までは7時間半。とても長い道のりですが、いろいろな土地を通り抜けながら走っていけることは私にとって大きな幸せです。
無事に埼玉にたどり着けたのは18時過ぎでした。
~かかったお金 約24900円~
ガソリン 7000円
おみやげ 3000円
安達太良カレー 1400円
高速代金 黒石から浦和まで 13500円
2021年GW 下北半島への旅 三日目
朝起きると、そこには綺麗な景色が広がっていました。
昨晩はすべてに恐怖を感じびくびくしっぱなしだったけれど、陽があがれば恐怖心は小さくなり、気持ちが大きくなります。光に左右される私の心…単純だなぁとも思います。
さあ、また今日も新しい自由な一日が始まった!心は羽のように軽やかです。一日何をして過ごそうか・・・
まずは「川内川渓谷遊歩道」に行くことに決めます。私は歩くことが好きなので、下北半島で気持ちのよさそうなハイキングコースをいくつか調べておいたのです。
起点になるむつ市陶芸センターまでは車で20分程度。気持ちの良い森の道です。
駐車場?というか空き地に車を停め、身支度を整えて出発!この旅初めてのちゃんとしたハイキングです。
ここに停めていいのかな・・・
道は新緑の木々の間を行きます。人はだれもおらず鳥の声だけが響いており、心が凪のように静まります。悩みやすい私は歩いているといつも、過去にやってしまった不義理や、人にしてしまった酷い仕打ちなどが頭の中に延々とにじみ出てきて、苦しい気持ちになってしまいます。山登りやハイキングが大好きなのですが、昔からそのことには苦しんできました。人と一緒に歩いていると最悪です。気分が落ち込むので、今度は一緒に歩いている人にまで酷い態度をとってしまうことになるのです。でも、色々な本を読んだり情報に触れたりする中で、ネガティブな感情が生まれてくることは人間にとって自然なことであるということを知り、またそんな時は暗い思い出が出てくるに任せて、そっと思考を今やっていることに集中させていくという対策法も知ることができました。以前はラジオを聞きながら歩くことで思考をそらしていたのですが、今は心を強くする訓練だ!と思い、自分の暗い思考に向き合いながら歩くことにしています。
しかし、今日はあまりに穏やかな日で、道も緩やか、新緑が美しすぎてネガティブな思考が湧き上がってきません。静かな幸福感がずっと心ににじみ出てきます。こんな日もあるのだなぁ、とその幸福感を噛み締め、素晴らしい気分を存分に味わいながら天国のような道を行きます。
幸せな気持ちが訪れてくれた時には、その気持ちを存分に噛み締めるように心がけます。この遊歩道を歩いているときは、すべて平和で満ち足りて、私の人生に問題など一つもないようなふわふわした幸福感にずっと包まれていました。(もちろん実際は問題山積みなんですけど)
2時間6キロほど歩いてこの幸せなハイキングは終了です。
さて、次。すぐ近くに「ふれあい温泉かわうち」という温泉施設があるので、向かいます。
鄙びた懐かしい感じのする温泉施設で、地元の方が何人かお湯を楽しんでいました。人里離れた山の中に静かに湧く温泉と、それを穏やかに守っている人の生活を想像したりします。私が遠い埼玉に戻っても、この温泉は湧き続け、番頭さんは受付に座り続け、このあたりの方たちが静かにお湯につかり続けるんだなぁ、と思うと、当たり前のことなのですが、不思議に思えてきます。
お湯はかなり熱く感じました。下北半島の温泉は、どこもとても温度が高いみたいです。長くは浸かれませんが、入っているとやっぱり心が明るくなるようです。静かでいいなぁ・・・こんな温泉が自分の家の近くにあるといいのに・・・
タイムスリップして異次元に迷い込んだような、夢のような時間を過ごし、現実に戻ってきます。
これからまた一つ夢をかなえに行きます!いよいよ大間のマグロを食べに大間崎へ向かうのです!
川内温泉からは1時間程度の道のり、途中これも山の中に湧く温泉、湯の川温泉や、かもしかラインというくねくねした山道を通り抜けていきます。素敵な道でした。(夜の山道はとても怖かったけれど・・・昼間はいいですね!)
さて、大間崎に到着!
大きな駐車場があったのでそこに車を停めます。人が多い・・・
一人なので観光地はドキドキします。変な人に見られないかな、寂しそうに見られないかな、と心配事は尽きません。でも、せっかく来たのだからやりたいことをしよう!
まずは何といっても大間のマグロを食べることから!
行列に一人で並ぶのも中々勇気がいるのですが、頑張って並びます。下北半島の先端に大行列・・・やっぱり大間は凄いなぁ。
店先ではお店のお兄さんがイカを焼いていて、並んでいるお客さんと会話を楽しんでいます。こういうのがなかなか苦手・・・うまく話せないし、その上一人だからさらに自信がないし・・・順番が来てしまうのを緊張しながら並びます。
「どこからいらっしゃったんですか?」
「埼玉から・・・こんな時期なので申し訳ないのですが・・・大間でマグロを食べるのを楽しみに、長距離ドライブをしてきました。」
「みなさん、そんな感じですよ!」
優しいお兄さんと無事会話ができてホッとします。というか、この旅で人と話せたのってものすごく久しぶりかも。なんだか久しぶりに人の温かさに触れたような気がして、お兄さんのことをすごく好きになってしまいます。本当に単純だなぁ・・・
お店の中の方も、一人客の私にも温かく接してくれて、無事大間のマグロを注文することができました!私凄い!!
見た目にまず感動!
なんて綺麗なのか・・・このためにはるばるここまで・・・
味も最高です!!舌が肥えているわけではないので、ものの良しあしがわかるわけではないけれど、本当に美味しかったです。人の温かさにも久しぶりに触れられて、心も体もほっこりと温まってお店を出ました。
大間にはほかにもマグロを食べさせてくれる店がちらほらありましたが、そんなにたくさんお店があるわけではないようです。私はたまたま、youtuberの「埼玉の仙人」さんがこちらのお店に行っていたのを見て来てみたのですが、ほかのお店にも行列ができていました。
さて、大間崎の観光も忘れてはなりません。有名なオブジェと写真も撮りたいし。
色々見て回り満足。お土産は勇気がなくて買えませんでした・・・小さなお店に入って色々声をかけられるのが苦手なんです。そして声をかけられると、気が弱すぎて買ってしまうし・・・
しかし、大間は風が強い!ずーっと強い風が吹き続けています。毎日こうなのか、たまたまなのかは分かりませんが、毎日がこの風の中での生活となると、本当に大変だなぁと感じます。どこへ行っても何をしていてもすごい風の中。あまり集中もできません。もう少し景色を見たい気もしましたが、あまりの風の凄さにはやばやと車に撤退します。
旅も三日目、一番の目的も果たし、そろそろ帰り路のほうへ走っていく頃合いです。
帰り道に観光スポットがもう一つあります。「仏ケ浦」です。奇岩がたくさんあるということなのですが、どんなところなんでしょう。
駐車場に車を停めます。観光案内を見ると、ここから結構歩くみたい。知らなかった・・・
気持ちの良い森の中を20分ほど歩きます。
結構急な階段が続き、登ってくる人は辛そうです。帰り道私も辛いかも・・・ちょっと心配になります。
下にたどり着くと、そこには奇岩がたくさん!
夕方だったけれど、観光客も多いし人気スポットなんだなぁ。
のんびり観光して、いざ急な登りの階段へ。暑さに大汗をかきながら登りました。
この時点でもう16:30。そろそろお風呂と寝る場所を決めないと。
車に戻って、よさそうな温泉施設を探します。
むつ市街も見てみたいな・・・むつ市内でいい温泉はないかな、とスマホを検索します。いろいろと魅力的な温泉が出てきた中で私が気になったのは、「むつ矢立温泉」でした。なんで心に引っかかったんだろう?今となっては分からないのですが、この温泉がこの旅史上一番心に印象を残した温泉といっても過言でないくらい、私にとって最高の温泉となりました。この人生で、絶対にまた何度も訪れたい温泉です。(遠すぎて悲しいですが・・・)
むつ市内はかなり開けている印象です。ファミリーレストランもあるし、大学もあるみたいで、今までめぐってきた北の最果て感はなく、にぎやかで明るい感じです。若い人が道を歩いている姿も見えます。
むつ矢立温泉は、そんなむつ市内にあるのですが、ナビに従うと細い山道を登るよう案内されます。途中には三角屋根のバンガローやゴルフ場が。なんだかいろいろなものがごちゃごちゃおかれている感じ。そんな感じなので、最初の印象はあまりよくありませんでした。まぁ、体を洗えてゆっくり湯に浸かれればいいか・・・
温泉もまた三角屋根の建物のようです。
脱衣所の中に入ると、演歌が流れていてとてもレトロな雰囲気。地元の年配の方たちで賑わっており、若い人もちらほらいる感じ。なんだか落ち着くなぁ・・・
さて、浴場に入ってみます。
入ってその作りにびっくりします。今まで見たどんな温泉とも違います。こんな作り見たことない!
浴場は湯気で霞んでいて幻想的な雰囲気。そこに演歌や、桶のぶつかる音などが響いて、さらに現実感のない非日常の世界が広がっています。湯船が浴場のど真ん中にどーんと大きくあり、真ん中の大黒柱のような大きな柱から、湯があふれ出しています。壁沿いには洗い場がずらーっと並んでいて、ひとつひとつあたたかい光がともっていて心もじんわりと温かくなっていきます。
もうその雰囲気から大好きになっていました。
そして、温泉!湯の色は茶色っぽい感じでかなり熱めです。周りの熱い湯気も相まって汗をだらだらかいてしまって長く入っていることはできません。「これはすぐに上がってしまうしかない感じかな・・・残念だな・・・」と思って周りを見回すと、湯船のふちに寝っ転がってトド寝をしている人多数。枕を準備して寝ている人までいます。みなさん、熱い湯に入ったら湯の周りで横になり、溢れてくる温泉で背中を温めながら体を冷ましてまた湯に入る、というループを繰り返しているようです。
そして水風呂も発見!ホースで小さな湯船にジャーっと水が豪快に入っています。入っても大丈夫かな・・・?初めてのところだと作法がわからないので少しドキドキしながらも小さな湯船に少しずつ体を入れます。水は冷たいのですが、冷えすぎてはおらず本当に気持ちがいい!熱い温泉で体が火照りきっているので、水風呂が最高です!!
湯に入ってふちで休み水風呂で締める、この流れを何度楽しんだか・・・もうこの温泉から出たくない・・・と思えるほどの気持ちよさでした。ここは本当に何度も来たい。どんなに遠くたってまた絶対に訪れようと心に決めるのでした。
さぁ、ハイキングから始まった今日の旅もこれで終わりです。今日もたくさん素晴らしいものを見て、体験した充実した一日でした。このあとどこで車中泊しようか・・・
一番近そうなのは「道の駅よこはま」ですが、さらに南の「道の駅しちのへ」も一時間半くらいで着けそうです。明日のために少しでも距離を進めておこうと、「道の駅しちのへ」まで頑張ることにします。
~かかったお金 約11570円~
ガソリン 4600円
ふれあい温泉川内 380円
大間のマグロ ノンアルコールビール 4300円
むつ矢立温泉 690円
ローソンで夕食 1600円
2021年GW 下北半島への旅 二日目
車の中は、とても快適です。
いつも寝ている布団を積み込めば、どこでも移動できる別荘を持っているような感覚。
明るく照らしてくれるライトを買えば、寝る前に読書もできるし、何の不足もありません。この自由さに病みつきになってしまいます。
ゆっくりと睡眠をとり、朝は6時に自然に目覚めました。
いつもは目覚まし時計で無理やり目を覚ましていますが、眠りが満ち足りて自然と目覚めることができることの幸福感を感じます。
トイレをお借りして、車の中で手早く身だしなみを整え、7時に出発します。
道の駅はしかみは、大きな道のそばでほかに車中泊をしている方も多く、それでもとても静かで、また是非訪れたい場所です。静かに眠らせていただき、感謝です。
さて、今日はどこへ行こうか、どんなことをしようか・・・!
八戸に来た理由のひとつは「八食センター」に行ってみたいなぁと純粋な憧れがあったことです。
八戸の美味しいものがひとつに集まったという、「八食センター」。何で知ったのかは忘れてしまいましたが、いろんな活気のあるお店が並んでいて、自分で好きなものを購入していくスタイルで、誰かがここで朝ご飯を食べているのを見たかして、八戸といえば八食センター!というイメージが私の中に強くありました!
でも八食センターがひらくのは10時です。今から行っても早すぎてあいていないし、10時まで開店を待つのは、少し時間がもったいないような気もします。
ぐるぐる考えて、やっぱり見るだけでも見たい!と心を決め、出発しました。
道の駅はしかみから八食センターまでは30分ほどの道のり。朝のきらきらしたまぶしい道を走ります。
どこを見ても初めての道。すべてが新鮮でとても楽しいドライブです。
八食センターは駅からは少し離れた通り沿いにありました。外観だけ見てもしょうがないんだけど・・・いつか七輪村に必ず来て美味しいものを絶対食べる!!八食センターに来る、というのことを、また八戸に来る目的にしよう!と心に決め、今回の旅では諦めることにしました。
さて、次の目的地へ向かいます。
今日は長旅の予定です。なるべく海沿いを走って、目的地である下北半島に突入。まずは「寒立馬」に会いに尻屋崎を目指します。
ひたすらまっすぐ進む海岸沿いの338号線を走ります。海が見えるか、というとあまり見えませんでした。残念!でも見たことのない風景を眺めながら車を走らせるのは、本当に楽しいことです。
下北半島の付け根あたりまで来ると、沼が点在しているようです。今回は時間の関係でゆっくりと沼を眺めることはできませんでしたが、いつかのんびり回ってみたいな、とまた新たな旅の目的をひとつ作ることができました。
やはり東北は大きい。必死で車を走らせてもなかなかに尻屋崎までは遠いものでした。
10時過ぎ、ようやく尻屋崎に到着しました。道路を走らせていると、路上駐車をしている車があります。もしや・・・と思って脇を見ると、いました!寒立馬です。
のんびりと草を食べています。
昔学生の頃、何かの授業で寒立馬の存在を知りました。猛吹雪の中でもたくましく生き抜く寒立馬の存在に感動して、以来ずっと心に残っていました。そんな存在を目の前に見ることができて、感無量です。
穏やかな姿に心を癒され、その場を後にしました。
せっかく尻屋崎に来たので、灯台の周辺を歩いてみることにしました。海のそばなのでかなり風が強く、最果てに来たのだな、と旅情を感じることができました。
最果てのバス停に心が惹かれました。
車はとても便利なのですが、便利すぎて自分の家と移動しているような感じがします。そうなると、やはり旅情が薄まってしまっているような気がして、バスに揺られての旅に心が惹かれます。はるばる路線バスに乗ってこの最果ての地までたどり着いたなら、どれほど感動するだろうか、と考えてしまします。
さて、次の目的地です。次は、これも昔から謎めいた場所として憧れを持っていた「恐山」に向かいます。下北半島は、本当に魅力的な見どころの多い場所です。
恐山までは約1時間の道のりです。途中むつ市を通り抜けました。人家も多く、活気のある場所に感じました。
恐山が近づいてくると、森が深くなっていくような気がしました。そしてその森を抜けると、橋がありました。これがもしや・・・と思い、車を停め降りてみることにします。
あの世とこの世の境だという恐山。その手前にある三途の川にかかる橋でした。今は通行することができないようですが、独特の恐ろしさのようなものを私は感じました。
死んだらこのようなところへ行くのだろうか・・・
普段は考えないようなことが、頭の中に浮かびます。
この橋からすぐのところが、恐山霊場の駐車場でした。とても広い駐車場で、駐車場から湖を見ることができます。これが宇曽利湖です。
天気もあいまって、より寂しげな風景に心も体も寒くなるように感じました。雨が時々降る不安定な天候で、まだ5月初旬の青森、実際かなり寒いです。
なにか温かいものでも食べてほっとしたい・・・
恐山の入り口そばに食堂がありました。
迷わず飛び込みます。
霊山でいただくラーメン。何か有難いもののように感じます。
体を温めて、いざ恐山に入山します。
参道を通り抜け山門をくぐると、この世ではないような荒れ果てたような世界が広がっていました。
想像はしていましたが、この世の果てのような寒々しい風景に言葉を失います。
そこここから蒸気が噴出し、塔や卒塔婆のようなもの、仏像などがぽつりぽつりと立っています。からからとむなしく回り続ける風車も寂しさを誘います。
道ができているので、そこをゆっくりと進みます。
やはりここはあの世の入り口。私たちがいる世界とは違う感覚なのだと感じました。
あの世に迷い込んで行くあてもなく漂うような感覚でふらふらと進みます。行きかう人もみな静かな面持ちです。誰かの名前の書かれた札のようなものもそこここにあります。亡くした大切な人に会いにこの場所に来る人たちも多くいるのでしょう。
道は最後宇曽利湖のほとりまで続いています。
異世界に紛れ込んでしまったかのような心持ちで、来た道を戻ります。
さて、恐山には境内に温泉があるのです。今回は、その温泉に入ることも楽しみにしてきました。
3つほど湯小屋がありました。おそらく古滝の湯に入ってみることに。
中は簡素な脱衣所と浴槽が2つ。硫黄の香りが充満しています。ものすごく成分が濃さそう・・・。
先客は母娘2人組とおひとりで入られている女性。その女性と入れ替わるようにして手前の浴槽に入りました。
熱そうだな!と身構えて入ります。もちろん熱いのですが、思ったほどではありません。何とか体を沈めていることができます。
完全なる硫黄泉。肌にピリピリ来る感じで、効能がありそうです。せっかくはるばる来た憧れの地、熱くて出たくなる気持ちを押さえてゆっくりとします。
もう一つに入っている母娘はおおはしゃぎ・・・自撮り棒で写真を撮ったり泳いだり、大きな声を出したり・・・
はるばる北に来た風情を全身で感じたい・・・まだまだ修行不足の私は意識を持っていかれっぱなしでした。せめて彼女たちより長く入って、その後しみじみと異世界の温泉を感じよう!と熱い湯船に体を沈めていました。
満足して外へ出ると、先ほどまで寒くて凍えそうだったからだもあたたまり、風がとても心地よく感じます。
すっきりと何か重たいものを落として、霊山を後にしました。
今日はこのあと温泉三昧の予定!
次は薬研渓流にたたずむ薬研温泉を目指します。
車を走らせるのは深い森の中です。下北半島にきてびっくりしたことは、車道脇に普通に水芭蕉が咲き乱れていることです。
水芭蕉なんて尾瀬まで行かなければ見られないし、この花を見るために大勢の人たちが集まってくるような人気の花、それがそこここに普通に咲いていることに感動もひとしおです。これを見るために毎年でも下北半島に来たい、とも思いました。
下北半島では、道路すれすれの車道脇には大きなフキが生えていることが多く、ここでの雑草の代名詞のような感じです。関東ではその植生は外来種で占められていて、見ていてもあまり美しく感じません。排気ガスをかぶって汚れて見えます。しかし、下北半島のフキの葉は瑞々しく、その差を見てもここの自然の深さ豊かさを感じます。
薬研渓流はかなり深い山の中にありました。
薬研温泉夫婦かっぱの湯そばの駐車場に車を停め、まずは少し渓流沿いの散策コースを歩いてみることにしました。
今日はあまり時間が無くなってしまったので、散策は短時間、少しだけ歩いておしましです。いそいそと夫婦かっぱの湯に向かいます。
思っていたより秘境感はなく、お客さんもわりといる感じです。
どんな温泉なのだろう・・・とドキドキ女湯の門をくぐります・・・と
素晴らしい風景!!
温泉のすぐ目の前に渓流が流れています。なんという解放感!
関東ではなかなか体験することができない、本当にすぐそばに美しい自然を眺めながら入ることができる温泉です。これはお勧めだし、私自身また何度でも来たい、強く思いました。
目の前に流れる水の流れをただボーっと眺めているだけで、今までの辛かったこと、悲しかったこと、それらが溶け出していくようです。
仕事をするということは、自分の至らなさ、恥ずかしさを味わい続けているようなところもあります。ぬぐいきれないそういう悲しみの感情は、都会で暮らしているうちにひっそりと自分の中に積もって心が疲れ切ってしまうことがひんぱんにあります。
そんな負の感情はフラッシュバックのように定期的に思い出され、心が刃物で切りつけられるような痛みを感じ、そのたびに激しく落ち込んでしまうのです。
しかし、温泉に入っているときは心が穏やかに安定します。
その中でも、手が届きそうなところに広がる美しい風景を見ながら温かい温泉に浸かっていると、憂いが完全に拭い去られて、心が幸福感で満たされていく感覚に包まれます。
そこに!なんとさっきの騒がしい母娘が!!
またも、周りには何も言わずに写真を撮りまくり、騒ぎまくり・・・
・・・
どこへ行こうと憂き世に本当の極楽はないのかもしれません・・・
夫婦かっぱの湯のすぐそばには「かっぱの湯」があります。
残念ながら時刻はもう17時になろうというところ、今は男性の入浴時間のようです。こちらも川沿いすぐにある素敵な温泉らしいので、また今度行ってみたいです。
薬研の自然を大満喫して、次の目的地へ車を走らせます。
次はこれまたツイッターでタイムラインに流れてくる温泉です。
私はツイッターは見る専門で、いろんな方たちの旅行先の素敵な写真などを楽しんでいます。この温泉のことはそれまでまったく知らず、初めて見た時も、なんて読むのか?
すら分からなかったのですが、その懐かしく寂しげな風情にとても心惹かれていました。はるばる下北半島まで来た理由の一つでもあります。
「下風呂温泉」です。したふろおんせん?したぶろ??
「しもふろおんせん」と読むそうです。
ツイッターでは「大湯」「新湯」という共同浴場が風情があってとても良い、とのことだったのですが、つい最近(2020年11月30日)閉館してしまいました。ツイッターでもファンの方たちがお湯に別れを告げるツイートをしているのを目にしていました。
「大湯」「新湯」は翌12月1日に新しくオープンした「海峡の湯」に引き継がれたとのことです。
ずっとツイッターを見ながらどんなところだろう・・・と想像を膨らませていた憧れの温泉です。ドキドキしながら浴場に入ります。
中は地元の方たちでにぎわっています。お年寄りから小さな子供まで、多くの人がお湯を楽しんでいます。やはりここもシャンプーやリンスなどはありません。八戸で購入したアメニティーを使って頭、体を洗ってさっぱり!
いよいよ念願のお湯です!
洗い場があるフロアには「大湯」「新湯」「熱湯」の三つの湯船があります。
どれも熱そう・・・
勇気をもってまず、すいていた新湯に入ります。熱い・・・!でも気持ちいい・・・。
硫黄泉なので硫黄の香りもそうなのですが、それよりも浴槽の青森ヒバの香りがとにかく病みつきになる香りなのです。全身必死でその匂いをかぎます。なんて心地よい香りなのだろう・・・温泉も最高です。熱いけれども最高に気持ちいい。
しかし熱いのであまり長くは入れません。浴槽のふちでゆっくり体のほてりを冷まします。
大湯にもチャレンジ。こちらも素晴らしい香り。新湯より熱いような気もします。
このフロアから出て、もう一つのフロアに行くと「井上靖ゆかりの湯」と水風呂、サウナがありました。「井上靖ゆかりの湯」はぬる湯でしたー!ほっとする休憩スポットです。ぼーっと長湯して、外に見える津軽海峡を眺める至福の時間です。
そして、見つけました!水風呂が体のほてりをすべて冷ましてくれる最高の装置だったのです!!
水風呂に体を沈め、十分に冷やしてから行けば、大湯新湯恐れることはありません。どんどん入れて楽しめます。熱くなったらまた水風呂へ。完全に自律神経が整っていきます。
何度目かに思い立って「熱湯」に挑戦してみました!ああああ熱い!!!!
体に突き刺さるような痛み!もう感じるのは熱さではありません。痛みです。少し入って出ましたが、出る時が一番痛かったです!イタイイタイ!!とまた水風呂へ・・・はぁ~~~・・・極楽・・・
この無限ループは薬物のようで、何度やっても飽きることがありません。浴槽のヒノキの香りもまた薬物です。体いっぱいでその香りを吸い込み、ただただ幸せな気分になるばかりです。
さすがに食堂のラストオーダーの時間も気になり、泣く泣く湯を出ることにします。もっともっと入っていたいけれど・・・
下風呂温泉、必ず必ずまた訪れてこの素晴らしい湯を堪能したい温泉です。出会えてよかった!
さて、温泉を後にしようと出口に向かうと、そこには見覚えのある顔が・・・
なんと!三度目の遭遇です・・・!!
恐山温泉で騒いでいて、薬研温泉でもうるさかった・・・あの母娘がそこにいるではありませんか・・・!
さすがに向こうも私を認めたようで、ふたりひそひそ・・・
私が満足して出る時で本当に良かった!あの二人のマナーの悪さを見てイライラするのも精神衛生上よくないし。
やっぱり温泉好きが巡るところって似てくるのかもしれませんね。
これからお楽しみの夕食です!
海峡の湯には食堂がついていることも調査済みで、楽しみにしていました。時刻は6時50分、まだ間に合います。
私は気弱なので、一人でどんなお店でも入れる感じではないのですが、こういった公共の施設に付属している食堂は私のような一人客でも敷居が低いように感じます。
おいしそうなメニューに目移りしますが、地のものが食べられるかな、と思い、結局地魚定食を注文しました。
周りは家族連れ、年配のお友達どうし、また私のような一人旅に見える人など様々です。持ってきた本を読んだり、周りの人をこっそり観察したりしながら待ちます。
しかし、、、厨房は忙しいのか、なかなか料理は来ません。私の後に来たおじいちゃん二人組も心なしかイライラ・・・私も少し不安になります。
注文から約40分!ようやく地魚定食が運ばれてきました!
待った甲斐もあり、とっても美味しい!!
昨日の夕食はコンビニだったので、久しぶりのちゃんとした定食料理、温かくておいしくて、感動しきりです。ホッケのフライもカリカリしてまったくくさみもなくてなんて美味しいのか!
お刺身も新鮮で大満足の夕食となりました。
さて、次は寝床探しです。
料理を待っている間、近くの道の駅を探したりしていたのですが、ちょうどよい場所にありません。ちょっとした駐車スペースがあって、車中泊もできそう、という情報がありましたが、一人だけで車中泊をするのはやはり不安です。ある程度ほかの人も車中泊しているところで、安心して泊まりたい・・・
しかし、一番近くの道の駅でもここから一時間半くらいかかってしまいます。
色々悩んで、やっぱり人が集まる道の駅に向かうことに決めました。
今日の宿は「道の駅かわうち湖」に決定です。
すっかり暗くなった道を一生懸命走ります。
右側はずっと海岸線で、ふと見る夜空にすごい数の星が!海には光がないので星が鮮やかに見えるようです。止まってゆっくり星を見たい気持ちもありましたが、急いでいるのと少し寒いのでやめました。
車はあるところからどんどん山奥のくねくねした狭くて走りづらい道に入っていきます。まっくらで誰ともすれ違わず、まったく人の気配がありません。不安はどんどんと募っていきます。この決断は間違っていたのだろうか・・・
かわうち湖はとても遠くて、心細さに涙が出そうになります。
誰一人車に出会うこともなく進んだ山奥のまっっっっくらな道の脇に、道の駅はありました。静かなのはいいのですが、静かすぎてかえって怖くなります。
ほかにも数台ですが車中泊とおぼしき車が駐車してあることだけが救いですが、あまりに暗くて静かで、本当に心細く、この日はあまり深く眠ることができませんでした・・・
~かかったお金 約4080円~
恐山ラーメン 700円
恐山入山 500円
薬研温泉夫婦かっぱの湯 230円
下風呂温泉海峡の湯 450円
地魚定食 1500円
コンビニ 700円
2021年GW 下北半島への旅 一日目
「悩んだら北かな・・・」
私の好きな漫画、「山と食欲と私」の中で、黒蓮さんが言うセリフです。
その言葉に、私は強く共感します。疲れた時、ひとり静かに自分と向き合いたいとき、心が惹かれるのはいつも北国の厳しく強い大自然です。
2021年のゴールデンウィーク、私は引っ張られるように本州最北端の地を目指しました。目指すは下北半島。初めて訪れる地です。
下北半島は「霊場恐山」を始めとする不思議な霊力があふれている場所だと、昔から憧れがありましたが、今まで訪れる機会がありませんでした。
ゴールデンウィークの一日目は仕事に追われ、くたくたに。ただ明日からは自由の身、行きたいところに行き、見たいものを見、食べたいものを食べることができる、そう思えば、心は羽のように軽やかです。こんな幸せな夜はないと思えるほどに、幸せな予感にわくわくしながら前夜を過ごしました。期待感に胸を膨らませている、旅に出る直前が一番私が好きな時間かもしれません。
旅の初日は6時起き。慌ただしく荷物を詰め込み、車に寝具を積み込んで8時半に浦和インターに乗り込みました。下北半島まではかなりの長旅です。
今日の旅は、東北道滝沢インターで高速を降り、下道を通り、白樺が美しいという平庭高原を抜け、天然の芝生が広がる種差海岸を見る、というざっくりとした計画です。ガイドブックを見て心惹かれ、平庭高原、種差海岸を見に行こうと決めました。
高速はコロナの影響でまったく混雑していません。車は快調に走っていきます。
仙台まで来ると、ああ東北まで来たなあ、という実感がわいてきます。
途中前沢SAで昼食休憩。やはり「前沢」にせっかく来たので、前沢牛を食べたい!と注文したのは、前沢牛のビーフシチューです。さすが!入っているお肉の美味しいこと!
ぺろりといただきました。
埼玉から約7時間・・・ようやく滝沢インターにたどり着き、高速を降ります。
今年のゴールデンウィークは休日割引対象外で、高速代金は11000円と高額でした。ガソリン代も合わせると新幹線を使うのとそんなに変わらないかな、、、と考えてしまします。
高速はどこを走っても同じような風景が続くので面白みに欠けるのですが、下道は違います。その土地土地の様々な民家、お店、神社やお寺など、どこを見ても面白くて、走っていて飽きることがありません。
平庭高原まで穏やかな田舎の風景を映す車窓を楽しみながら高度を上げていきます。途中姫神山を見ることもできました。いつか登ってみたい花の山です。
残念ながら天候は不安定で、雨が降ったりやんだりしています。
平庭高原についた時には、かなり強い雨になっていました。本当は車を降りて少し歩いてみたい気もしましたが、雨の中を歩くめんどうくささに車を降りることなく、通り抜けていくことにしました。
しかし、白樺の森は聞きしに勝る風景でした。ものすごい数の白樺に終始圧倒され続けます。5月の初めでは芽吹きはまだで、雨が降りしきる濃霧の中におびただしい数の白い木々が並んでいる様子は神秘的で、恐ろしくも感じました。冬景色の平庭高原にはほかに人影もなく、私は怖さと、強烈な寂しさを感じ、急いで高原を走り抜けていきました。
今度はぜひ緑に覆われた、明るい白樺の森を見てみたいと感じました。
さて、次は種差海岸を目指します。
途中通り抜けた「久慈川」の流れは本当に美しく、今度ぜひのんびりと森の中を歩いてみたいと心に決めました。
平庭高原から車を走らせること1時間半、ようやく種差海岸についたのは17時半でした。日が落ちかける寂しげな光景で、インフォメンションセンターもすでに閉まっているようです。
どこまでも広がる芝生に、うみねこたちがのんびり歩きまわっている様子をしばらく眺めていました。夏にはキスゲが咲き乱れるということですが、冬景色の今は少し寂しい風景に感じました。
種差海岸のインフォメンションセンターでも車中泊はできそうです。でも少し寂しいかな・・・
次は海岸沿いを北上し、うみねこの繁殖地だという「蕪島」を目指すことにしました。ここに来るまで知りませんでしたが、旅に出ると、今まで知らなかった場所を知る機会に恵まれ、自然と興味と行動範囲が広がっていくことが面白く感じます。
海沿いの道を北上していくのは本当に楽しい時間です。
途中「葦毛崎展望台」という元は太平洋戦争時、旧日本軍の軍事施設として使用されていたという太平洋を一望できる展望台があったり、まったく飽きることがありません。ここから遊歩道も伸びているようです。歩くことがとても好きなので、今度ぜひ、と心に刻みました。
そこから少し進んだところが「蕪島」でした。
聞きしに勝る「うみねこの楽園」です。
東北、大船渡温泉に泊まった時、宿の温泉に浸かっていると、波音とうみねこの鳴き声がずっと聞こえており、心の底から深い安らぎを覚えました。そこから自宅の風呂でもうみねこの鳴き声を聞いて安らいでいたのですが、「蕪島」のうみねこの多さには怖気づいてしまいました。尋常ではない数のうみねこたちに圧倒されっぱなしの時間でした。
神社は参拝時間を過ぎていたため、入れませんでしたが、糞害対策に傘が置いてあったことが印象的でした。
まだ日があるうちにたどり着いて、神社を見ることができてよかった!
気が付けばもう18時半。
そろそろ温泉を見つけて今日の汗を流し、車中泊できそうな場所を探さないといけません。
グーグルで検索し、出てきた日帰り温泉の中から気になる温泉をピックアップ。
今日は八戸にある「野馬の湯 天然ラドン温泉」に行ってみることにしました。
入ると、昔懐かしい銭湯の風情。これは素敵なところを選んだなとほくほくしながら脱衣所へ。入浴料420円も、地元埼玉に比べると激安です。
お風呂内に入り、仰天。シャンプーリンスがない!!
今まで入ってきた日帰り温泉では、洗顔料はなくともシャンプーリンスは置いてあるところがほとんどで、今回もまさかないとは夢にも思いませんでした!
今日は髪を洗うのをあきらめようか、などとどうすべきかいろいろと頭の中でぐるぐる考え、やっぱりさっぱりしたい!!と決意し、もう一度服を着なおして外へ出ます。受付で問い合わせ、シャンプーリンス一番小さいものをゲット。
ほっとしてもう一度お風呂内へ。入浴料が安いのはこういうこともあるのかもと納得します。
入浴客はほぼ地元の方たち。小さな子供を連れたお母さんが多い印象です。
あたたかな方言を聞いているだけで、自分の土地からかなり遠くへ来たんだという実感がわきます。
温泉ももちろん素晴らしく、内風呂でも露天風呂でも、憂き世を忘れほわぁぁ・・・と緩みます。大きな幸せを感じます。
さて、ここにはサウナもあるのです!
サウナと水風呂、交互浴をすると自律神経が整い、気持ちも前向きになるような気がしています。つらいこと、悲しいことがあった時には、私は必ずサウナに行くことにしています。
「野馬の湯」の熱いサウナ、冷たい水風呂も最高でした!
心も軽やかになって、温泉を後にしました。
さあ、やるべきことはすべて終わりました。
どこで車中泊をさせていただくか・・・
やはり、一番は「道の駅」です。ほかに車中泊をしている方も多く、安心感があります。
八戸から一番近い道の駅は、少し道を戻ることになってしまいますが、「道の駅はしかみ」です。途中八戸北高校コンビニに寄りました。(かなり遠回りをして)夕食を調達、最近のコンビニのご飯は本当においしいなぁ、と舌鼓を打ち、「道の駅はしかみ」を目指します。行く途中には、激渋の銭湯「松の湯」さんがありました。
野馬の湯も23時まで、この、松の湯さんも22時までと、八戸の温泉は遅くまで営業されていて本当に助かるなぁ
22時、ようやく道の駅はしかみにたどり着きました。長い長い一日でした。
~かかったお金 約24450円~
ガソリン代 11000円
高速代 11150円
野馬の湯+シャンプーリンス+ドライヤー 770円
コンビニ 1830円