週末ひとり旅

週末の旅の記録です

大雪山登山記①

2022年7月29日(金)~2022年8月4日(木)6日間

 北海道大雪山を巡る旅に出ました。一生忘れることができない、私の人生を変えてしまうような大きなインパクトを自分自身に与えた旅でした。この旅に出てよかった。この旅に出る前は、こんなことが起こるとは思いもよらなった。特に人との出会い。私は未熟な人間で、うまく周囲の人とコミュニケーションがとれないことから、人間を避けてきたようなところがありました。それでも、うまくいかないことばかりでも、這いつくばってここまで生きてきて、人は一人で生きていくことは絶対にできないということを学び、少しずつ周囲の人たちに思いやりをもって接することの大切さを知りました。当たり前だけれど、気に食わないからと言って意地悪をしてはならないことを学び、人と接することの楽しさも少しずつ知りました。そしてこの旅。出会う人すべてがあたたかく、優しく、人間が大好きになってしまいました。早くあの人たちに会いたいと思える旅。もう別れてしまったけれど、必ずまた会いたいと思えるひとたち。今でも思い返せば温かい気持ちがあふれてきます。出会った人たちの幸せを心から祈っています。

 

2022年7月29日(金)出発の日

 午前中は部活。最近は部活も本当にやりがいを感じられています。周囲の人に力を貸せることが私の生きる意味かもしれないと思っています。夏休み前の部活ということで、今までの活動の反省を行い、今後の活動へのどう取り組みたいかをお互いに話し、そして最後に清掃を行いました。部員みな一生懸命にそうじをしてくれて、本当に温かな気持ちでむかえることができた部活最終日でした。

 その後急いで帰宅。ほとんど準備はしてありましたが、最終的なチェックを行います。60リットル入るモンベルのリュックはパンパンです。重さは測りませんでしたが、3泊分の食料やテント類がぎっしりとつまっています。後で考えれば少し入れすぎでした。それでも何とか担ぎ上げ、電車に乗り羽田空港を目指します。

 行きのモノレールには旅情が詰まっています。なによりも旅情を掻き立てられます。大きな荷物にすべての生活用具と希望を詰め込んで、これからどんな人に出会うのか、どんな出来事に出会うのか、想像もつきません。そして今回もまた想像すらしないような出会いや出来事が起こりました。それぞれの場所でそれぞれの役割を負って生きている、家にいるだけでは出会えない人たちに出会うことができる、その魅力に触れることができるのが旅の醍醐味なんだと、遅ればせながらこの年齢になってはじめて気づくことができました。

 羽田空港は金曜日の15時。とても賑わっています。かつての旅人たちの活気が戻ってきたようです。慣れない動きでチェックインをして、荷物を預けました。荷物預けるところも大行列です。あとはのんびり過ごし、17時の飛行機に乗り込みました。窓際が最後ひとつだけあいていたのはうれしかった!みなさんいつ座席を取るのかな。隣の青年はスマホのゲームに夢中。(帰りの隣の青年も・・・同じ人か?)私は外を眺めていました。前に北海道に行ったときは鳥海山が見えた気がしたけれど、今回は山は見えたけれどわかりませんでした。でも鳥になった気分で楽しいです。男鹿半島八郎潟、恐山の湖など見たことのある景色が眼下に広がって目が離せません。晴れている飛行機はとても楽しい!オニオンスープも温かくてとても美味しかった。

 約1時間半で旭川に到着。本当に早い。うちから電車だとどのへんだろうと思ってしまいます。ちょっと都内に出る感じで着いてしまいます。でも空港から旭川駅までは40分!結構遠いです。バスの補助席に乗り込みます。窓が見られないのが残念・・・

 旭川はルートイングランディアを予約していたの早速向かいます。駅前の大きくて華やかなホテル!綺麗で嬉しい。今日はそのまま寝よう。バス乗り場そばのローソンで夕食をゲット(ビールも!)部屋もめちゃくちゃ綺麗。そして温泉付き・・・天国かと見まごうほどです。ゆったりと癒されて、深く眠ることができた一日目でした。

素敵な部屋!

2022年7月30日(土)2日目!

 何度もてんきとくらす旭岳を確認しますが、今日は晴れ、明日は雨の予報です。今日は必ず旭岳に登ろうと決めていますが、明日以降どうするかまだ悩み中です。疲れていたので9:11のロープウェイ行きに乗れればいいや、と思っていましたが、5時には自然に目が覚めてしまい、7:11に余裕で間に合いそう。日帰りで旭岳周辺を巡るとなると大変なので急いで支度をします。朝風呂には絶対に入らなきゃ!ホテルの温泉は少し熱めでした。茶色の湯で旭川の町がちょっとだけ見えます。温泉も大好きです・・・ただただ幸せだけの時間・・・

 30分前にはバス停に到着。9番でローソンの近くです。もう並んでる方たちがいます。ローソンでおにぎりを購入!ほおばりながら待ちます。大きくて綺麗なバス。下にリュックを預けることができました。このバスは昨日来た空港を経由して旭川ロープウェイに向かうようです。窓を流れる景色に夢中。町を出ると北海道らしい壮大な農地が広がります。これも見たかった。

 1時間半強でロープウェイ駅に到着。ロープウェイで姿見駅へ向かいます。ここも混んでいました!並ぶほどではないけれど。関東圏ならきっと大行列だろうなぁ!ここで一つ決断!明日はやっぱり天気が悪そう・・・どう見ても一日中C判定・・・明日は山でテントを張るのをあきらめて旭川に戻ろう、そして層雲峡に移動して層雲峡で一泊して明後日黒岳ロープウェイでまた山に戻ってこよう・・・!決めたらすぐに姿見駅構内のロッカーにリュックを押し込みます。(ロッカーがあってよかった。なければその辺に置いていこうと思ってた)ロッカーも安かったので助かりました。

 背中が軽い!そして駅を一歩出ると素晴らしい景色が広がります!目の前に旭岳!今日は激晴れ!!青空がめちゃくちゃ綺麗です。

旭岳と姿見の池

イワブウロというようです。花が好きだけれど初めて見ました!
大雪山にはどこにでも沢山咲いています

 途中行き会ったおじいさんが「こんなに晴れて美しい日はない。頑張って旭岳登頂しよう!」と声をかけてくれたのが印象的でした。本当に夢のような青空が広がります。(6日間で実際一番天気が良かったです)これも一期一会。一歩一歩山頂へむけてゆっくりと登っていきます。(あまり早く歩けないけど、今日中に間宮岳、中岳、裾合平とぐるっと一周して旭川まで戻りたいのでかなりあせってる)

振り返るとこんな景色が・・・

目の前にはこんな景色が・・・

そして。。。登頂!

 山頂は人でいっぱい!お昼ご飯を食べている方もいます。風がかなり強いですが私もひとやすみ。やっぱり山はいいなぁ・・・

 休憩後次は間宮岳を目指します。旭岳から下るところがちょっと怖いポイントでした。雪渓は傾斜が少なかったのでそんなに怖くなかったのですが、雪渓の先がかなりざれていて、傾斜も急でほとんど滑ってしまうような感じです。ストップが効かない。周りの方たちも怖がっているように見えます。これ私10キロ以上のリュックを背負って歩く自信がない・・・

雪渓とざれた道

 みんな滑り降りるように下っています。後日黒岳石室の小屋の方にお伺いしたのは、みんなが歩くところは削れていて踏ん張りがきかないので、その周辺を歩くと踏ん張りがききやすいとのことでした。

 この怖い道を過ぎると、本来なら本日の宿のはずの裏旭キャンプ場です!何人か人が休んでいましたがテントはありません。明日悪天候なのでみんな避けているのかなぁ・・・だとしたら私も諦めてよかった。ここはとてもきれいな場所らしいのですが、トイレがありません。小は何とかなっても朝は・・・どうしたらいいのか少し不安に思っていました。ほかの方のブログを読むと、まぎれて何とかなったとありましたが、森もなく見通しもよい感じ。今度また来てみたいけれど、トイレのハードルが高いかな・・・

どこでトイレをすればいいんだろう・・・

 そのあとはどこかの惑星のような景色が広がります。

楽しい道

 北海道の山は本当に雄大だと感じます。広い大地に一本の道がずっと続いている・・・この山旅で何度も目にしました。その道をただただ歩ける幸せ。私は本当にただ歩くことが好きなんだとも気づきました。

 UL装備のおしゃれなお兄さんから、大きな荷物を担いだおじさんまでいろんな方が歩いています。皆さん今日山で泊まられるのかな・・・?

 

間宮岳

まっすぐに続く道

 途中の中岳温泉には温泉が湧いていて、どなたかが作ったであろう足湯に登山者の方たちが浸かってのんびりとされていました。ひとりだと少し遠慮してしまいます。ここには携帯トイレブースもあります。やってみたいけれどこれもハードル高いなぁ

私も入りたかったな・・・!

 中岳温泉を過ぎてからの道が本当にすごかったです!実は今日一番楽しみにしていた裾合平です!!お花の楽園が広がるまさに天国。言葉が出ないほどに感動してなかなか先に進むことができません。見渡す限りに永遠にチングルマのじゅうたんが広がっています。なんて広い景色。そしてエゾコザクラの濃いピンク。こんなに咲いているなんて・・・いろんな山に登ってきたつもりですが、あまりの量に圧倒されます。アップダウンの少ない道も歩きやすく、まさに夢見心地です。

岳温泉の近くの沢にあったエゾノリュウキンカ

なだらかにひろがるベルベットのような緑の絨毯

エゾコザクラのハッキリとした色合い

一面のピンク色に圧倒されます

 なんて美しいのか・・・溜息ばかりついてしまいます。もうここに住みたい。

ここからはずっとなだらかな道で、とても歩きやすかったです。3人組の女性の方がゆっくりと楽しそうに歩いていました。ゆったりとした歩調なのですが追い越しても、休憩しているうちにすぐに追いつかれてしまいます。ゆっくりと休まずに歩き続ける、というのが良いのかもしれません。まだ足が慣れていないのか、すぐに疲れてしまします。そのたびに登山靴をぬいで足を休ませます。私が焦ってしまっていつものペースよりだいぶ早く歩いてきたのが原因かもしれません。やっぱり自分のペースを守るというのが大切ですね。

 池のそばのベンチでひとやすみ。ここで今日の宿と明日の層雲峡のホテルを検索してみます。旭川の温泉付きビジネスホテルは約10000円・・・高いけれど直前だし仕方がない・・・それに反して層雲峡のホテルはBookingcomで6000円弱!(朝食付き!)え・・・大丈夫かかえって心配になってしまうほどのお得感・・・どんなホテルなんだろう?

帰りに見た旭岳


 急いだ甲斐もあってロープウェイの時間にも、帰りの旭川駅行きのバスの時間にも間に合いました!のんびり綺麗な景色を見ながらよく休んでからロープウェイに乗り込みます。やっぱり3泊4日縦走装備のリュックは死ぬほど重い・・・

 バスでうとうとしていると旭川駅到着!今夜の宿プレミアムキャビン旭川に急ぎます。なんでも素敵な温泉サウナ付きのホテル!ちょっとお高かったので思い切り楽しみたいと思います。

 その前に夕食!せっかく旭川に来たので美味しい旭川ラーメンが食べたい!出発前に会った父が勧めてくれたのが「地下にあったラーメン屋」・・・どこだろう?でもこの時代Googleで「旭川 地下 ラーメン」ですぐに出てきました。多分「梅光軒」さんだな!早速出発します。人気店のようで行列ができています。ドキドキしながら順番を待ちます。

醤油バターコーンラーメン味玉トッピング すごく美味しかった!

 最高!父に聞くとやっぱりここだったみたい。並んだ甲斐がありました。本当に美味しい!

 ホテルに戻り、サウナに干上がるほど入り、水風呂に浸かり、瞑想します。これを繰り返していくとぼーっとしてきます。なんか幸せ・・・

 少し夜更かしをして眠りにつきました。明日は層雲峡に移動するだけだから大丈夫!