週末ひとり旅

週末の旅の記録です

2021年GW 下北半島への旅 一日目

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種差海岸のどこまでも続く芝生

「悩んだら北かな・・・」

私の好きな漫画、「山と食欲と私」の中で、黒蓮さんが言うセリフです。

その言葉に、私は強く共感します。疲れた時、ひとり静かに自分と向き合いたいとき、心が惹かれるのはいつも北国の厳しく強い大自然です。

2021年のゴールデンウィーク、私は引っ張られるように本州最北端の地を目指しました。目指すは下北半島。初めて訪れる地です。

下北半島は「霊場恐山」を始めとする不思議な霊力があふれている場所だと、昔から憧れがありましたが、今まで訪れる機会がありませんでした。

ゴールデンウィークの一日目は仕事に追われ、くたくたに。ただ明日からは自由の身、行きたいところに行き、見たいものを見、食べたいものを食べることができる、そう思えば、心は羽のように軽やかです。こんな幸せな夜はないと思えるほどに、幸せな予感にわくわくしながら前夜を過ごしました。期待感に胸を膨らませている、旅に出る直前が一番私が好きな時間かもしれません。

旅の初日は6時起き。慌ただしく荷物を詰め込み、車に寝具を積み込んで8時半に浦和インターに乗り込みました。下北半島まではかなりの長旅です。

今日の旅は、東北道滝沢インターで高速を降り、下道を通り、白樺が美しいという平庭高原を抜け、天然の芝生が広がる種差海岸を見る、というざっくりとした計画です。ガイドブックを見て心惹かれ、平庭高原、種差海岸を見に行こうと決めました。

高速はコロナの影響でまったく混雑していません。車は快調に走っていきます。

仙台まで来ると、ああ東北まで来たなあ、という実感がわいてきます。

途中前沢SAで昼食休憩。やはり「前沢」にせっかく来たので、前沢牛を食べたい!と注文したのは、前沢牛ビーフシチューです。さすが!入っているお肉の美味しいこと!

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前沢牛ビーフシチュー


ぺろりといただきました。

埼玉から約7時間・・・ようやく滝沢インターにたどり着き、高速を降ります。

今年のゴールデンウィークは休日割引対象外で、高速代金は11000円と高額でした。ガソリン代も合わせると新幹線を使うのとそんなに変わらないかな、、、と考えてしまします。

高速はどこを走っても同じような風景が続くので面白みに欠けるのですが、下道は違います。その土地土地の様々な民家、お店、神社やお寺など、どこを見ても面白くて、走っていて飽きることがありません。

 平庭高原まで穏やかな田舎の風景を映す車窓を楽しみながら高度を上げていきます。途中姫神山を見ることもできました。いつか登ってみたい花の山です。

残念ながら天候は不安定で、雨が降ったりやんだりしています。

平庭高原についた時には、かなり強い雨になっていました。本当は車を降りて少し歩いてみたい気もしましたが、雨の中を歩くめんどうくささに車を降りることなく、通り抜けていくことにしました。

しかし、白樺の森は聞きしに勝る風景でした。ものすごい数の白樺に終始圧倒され続けます。5月の初めでは芽吹きはまだで、雨が降りしきる濃霧の中におびただしい数の白い木々が並んでいる様子は神秘的で、恐ろしくも感じました。冬景色の平庭高原にはほかに人影もなく、私は怖さと、強烈な寂しさを感じ、急いで高原を走り抜けていきました。

今度はぜひ緑に覆われた、明るい白樺の森を見てみたいと感じました。

 さて、次は種差海岸を目指します。

中通り抜けた「久慈川」の流れは本当に美しく、今度ぜひのんびりと森の中を歩いてみたいと心に決めました。

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春紅葉美しい久慈川の流れ

平庭高原から車を走らせること1時間半、ようやく種差海岸についたのは17時半でした。日が落ちかける寂しげな光景で、インフォメンションセンターもすでに閉まっているようです。

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雨の中、テントを楽しんでいる人がいました

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天然の芝生がどこまでも広がっています

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たくさんのうみねこがのんびりしていました

どこまでも広がる芝生に、うみねこたちがのんびり歩きまわっている様子をしばらく眺めていました。夏にはキスゲが咲き乱れるということですが、冬景色の今は少し寂しい風景に感じました。

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インフォメンションセンターは17時まで。残念・・・

種差海岸のインフォメンションセンターでも車中泊はできそうです。でも少し寂しいかな・・・

次は海岸沿いを北上し、うみねこの繁殖地だという「蕪島」を目指すことにしました。ここに来るまで知りませんでしたが、旅に出ると、今まで知らなかった場所を知る機会に恵まれ、自然と興味と行動範囲が広がっていくことが面白く感じます。

海沿いの道を北上していくのは本当に楽しい時間です。

途中「葦毛崎展望台」という元は太平洋戦争時、旧日本軍の軍事施設として使用されていたという太平洋を一望できる展望台があったり、まったく飽きることがありません。ここから遊歩道も伸びているようです。歩くことがとても好きなので、今度ぜひ、と心に刻みました。

そこから少し進んだところが「蕪島」でした。

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うみねこたちの楽園「蕪島

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近くで見ると目が鋭い

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うみねこで溢れている

聞きしに勝る「うみねこの楽園」です。

東北、大船渡温泉に泊まった時、宿の温泉に浸かっていると、波音とうみねこの鳴き声がずっと聞こえており、心の底から深い安らぎを覚えました。そこから自宅の風呂でもうみねこの鳴き声を聞いて安らいでいたのですが、「蕪島」のうみねこの多さには怖気づいてしまいました。尋常ではない数のうみねこたちに圧倒されっぱなしの時間でした。

神社は参拝時間を過ぎていたため、入れませんでしたが、糞害対策に傘が置いてあったことが印象的でした。

まだ日があるうちにたどり着いて、神社を見ることができてよかった!

 

気が付けばもう18時半。

そろそろ温泉を見つけて今日の汗を流し、車中泊できそうな場所を探さないといけません。

グーグルで検索し、出てきた日帰り温泉の中から気になる温泉をピックアップ。

今日は八戸にある「野馬の湯 天然ラドン温泉」に行ってみることにしました。

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蕪島近くの温泉「野馬の湯」

入ると、昔懐かしい銭湯の風情。これは素敵なところを選んだなとほくほくしながら脱衣所へ。入浴料420円も、地元埼玉に比べると激安です。

お風呂内に入り、仰天。シャンプーリンスがない!!

今まで入ってきた日帰り温泉では、洗顔料はなくともシャンプーリンスは置いてあるところがほとんどで、今回もまさかないとは夢にも思いませんでした!

今日は髪を洗うのをあきらめようか、などとどうすべきかいろいろと頭の中でぐるぐる考え、やっぱりさっぱりしたい!!と決意し、もう一度服を着なおして外へ出ます。受付で問い合わせ、シャンプーリンス一番小さいものをゲット。

ほっとしてもう一度お風呂内へ。入浴料が安いのはこういうこともあるのかもと納得します。

入浴客はほぼ地元の方たち。小さな子供を連れたお母さんが多い印象です。

あたたかな方言を聞いているだけで、自分の土地からかなり遠くへ来たんだという実感がわきます。

温泉ももちろん素晴らしく、内風呂でも露天風呂でも、憂き世を忘れほわぁぁ・・・と緩みます。大きな幸せを感じます。

さて、ここにはサウナもあるのです!

サウナと水風呂、交互浴をすると自律神経が整い、気持ちも前向きになるような気がしています。つらいこと、悲しいことがあった時には、私は必ずサウナに行くことにしています。

「野馬の湯」の熱いサウナ、冷たい水風呂も最高でした!

心も軽やかになって、温泉を後にしました。

 

さあ、やるべきことはすべて終わりました。

どこで車中泊をさせていただくか・・・

やはり、一番は「道の駅」です。ほかに車中泊をしている方も多く、安心感があります。

八戸から一番近い道の駅は、少し道を戻ることになってしまいますが、「道の駅はしかみ」です。途中八戸北高校コンビニに寄りました。(かなり遠回りをして)夕食を調達、最近のコンビニのご飯は本当においしいなぁ、と舌鼓を打ち、「道の駅はしかみ」を目指します。行く途中には、激渋の銭湯「松の湯」さんがありました。

野馬の湯も23時まで、この、松の湯さんも22時までと、八戸の温泉は遅くまで営業されていて本当に助かるなぁ

22時、ようやく道の駅はしかみにたどり着きました。長い長い一日でした。

 

~かかったお金 約24450円~

ガソリン代      11000円

高速代        11150円

前沢牛ビーフシチュー  1300円

野馬の湯+シャンプーリンス+ドライヤー  770円

コンビニ        1830円